《怒田の水没隧道》(仮称) 【1:工事中で砂押側からは断念】

探訪日:2009. 1.12
提出日:2009.12.24
 
目的物件の地図
上のYAHOO!地図以外の地図サイトはこちら⇒【Googleマップ】【Mappion】【ウオッ!ちず】
 
私は今から12年前に、自動車の運転免許を得ました。その後、行動範囲が広がってくると当然必要になるのが道路地図。
書店でどれにしようか散散迷った挙句に選んだ地図は…その書店に数ある地図の中でも“一番トンネル記号が多いやつ”でした。f^^;
さてさて、その地図帳を眺めていると時間も忘れてしまう事(もちろんトンネルの記号を探しています)が度々あったのは言うまでも無いのですが…
特に上総亀山駅周辺(特に北側一帯)の『柳城』や『怒田』、『大福山』周辺には点線で描かれた数々のトンネル記号に目が釘付けでした!!
そんな中でも一番気になっていたのが、今回の目的物件とそれに続く点線の道に連続するトンネル群でありました。
いつしかインターネットとやらが我が家にも普及して、数年後にその気になっていたルートを紹介する文章や小さな画像を見る事が出来ました。
といっても、今から数年前まではこのルートを取り上げたサイトは2つ位だったと思います。
現在では両方とも見付からなくなってしまった様です。(T_T) まぁ…私の検索の仕方が貧弱だったのが最大の原因だったと思いますョ。
でもね、当時は自動車で入れなそうなトンネルにまさか歩いて入るなんて全く考えられませんでした。^^;(2006年に山行がを知るまでは…)
しかも、2008年に見付けたあるサイトによると…上のデカイ地図で印を付けたトンネルが“水没している!?”という情報も得られました!!
特に“水没”っていうのが大変気になります。 という訳で…今回は、“気になる所は自分の足で見に行きましょう!”を実行したのでした。
因みに、この探索を実行に移す2009年1月時点では幾つかのサイトやブログで紹介されていました。では、私は動画を撮る為に行きますか!
この探索前、私が上のデカイ地図の中で『森の隠れ里』時代も含めてまだ行ってないのは今回の水没トンネルとそれに続く廃トンネル群だけでした。

2009年1月12日AM9:57。世間様でも正月ボケも覚めた頃…私は見事に寝坊しながら、右の地図で[+]の位置に到着しました。
[+]の位置から点線の道を進んで右下の青いマークの位置に在るトンネル(隧道)が水没している隧道だという事らしいのです。
今回はその水没隧道だけが目的でありまして…ぶっちゃけその先の点線上にある小さな隧道群はあまり興味がありません!(←ヒドイよ)
ですので、右の地図の通りに『砂押』地区から向かった方がベストだったのですが…ありゃ!?工事で前面通行止ですってさ。(T_T)
バリケードを突破して隧道を抜けた先で作業員に囲まれて「ゴラァー(怒りマーク)」になるのは容易に想像出来ます。此方からはダメですね。^^;
ちょっと待ってよ!そのまま諦めるなら、《せめて洞内ぐらいは覗いてみようよ》。


結局、『大森』地区から迂回してもバリケードで塞がれていました。

こうなったら…やっぱり亀山中学校の上の『横尾』地区側から山道を永遠と歩いて行く事になりますよね。
という訳で…現在地は右の地図で[+]の位置になります。この分岐を右へ進み、点線の道を北上しながら幾つかの隧道を越えると…
青いマークの位置に今回のお目当ての水没隧道が在るという事になります。
右の地図を思いっきり拡大していくと分り易いと思いますが、この分岐を左へ進むと…こんな山奥に唯一の民家が在るんですよネ!
2005年頃だったと思いますが…ここを左へ私のテリオス●●●号で進み民家を過ぎ、やがて丁字路を右折して、その先で道が細くなり…!?
最後は、両側が谷で細い道を脱輪しかけてヒヤヒヤしながら丁字路までバックで帰った思い出もあったんです…ハイ…。f^^;(←バカだねぇ…)
そういえば…私が自動車の免許を得て初心者マークも卒業した頃にもこの入口を見た記憶がありますけど、当時は凄く荒れていたと思います。

時刻は11:09。(私にとって)未知な道の探索開始です。
今日は予想外の工事通行止により、出発時間が遅くなりました…
陽が暮れる前にまたここへ戻ってこなくてはならないんです。
(自動車は先ほどの分岐近くの広場に無理矢理止めてあります。)

これからどんな道でどんな隧道達が待っているのだろうか…。
もう既にドキドキワクワク…。

当分の間、人里から凄~く離れた山の中へ入る事になります。
野生動物のエサになる可能性や遭難の危険も無い訳ではない…
いくら千葉県の小さな山といえども…正直1人で行くのは怖いョ。^^;

そんな事を考えていたら…路面には幾つかのお客さんの轍を発見!
それらを発見すると大分気持が楽になりました。

ここで突然申し訳ありませんが…これから先、目的の水没隧道までの道のりの様子は特筆する点が無い限り小さい画像で進みます。
本当はいつものサイズ(もっと欲張ればカメラで撮ったサイズ3456px×2592px)でお見せしたいんですけど…
今回のレポートは長くなりそうなのでサーバー容量が気になりましてこうなりました。もちろん、水没隧道に到着したら本気モードになりますヨ。^^
あくまで今回の目的は先ほど青いマークを付けた水没隧道ですから…、この1ページはほとんどオマケみたいなもんです。^^;
また、よっぽどの事が無い限り地図も省略します。(ページ内に地図を沢山埋め込むと、IE6では地図が出なくなる現象もあるらしいので…)
それでも、途中の隧道は地図に全て載っていますのでそれが大体の目印になると思います。
まぁ…最もこのルートはオローダーの皆さんには既に有名なので、遅らせながらあえてトンёコレで取り上げる意味もあまり無い気もします。
でもね、水没隧道(トンネル)をこの目で見たい…私も実際に入ってどんなに深いのだろうか?水没を楽しみたい…。そんな気持で行きました。

現在地はたぶん【この辺り】。

先ほどのY分岐から200m位進むと…直線区間になりました。
気が付けば…既に四輪では来たくない道幅になっております!

その時、の先にポッカリ開いた穴っこを見つけちゃいました!?
その穴っこです。横30cm×縦60cm位でしょうか。
法面に開いている穴なら房総半島では当たり前の光景なのですが…
地面よりも下へ向かって広がる真っ暗な空間だから気になります。
毎度の事ながら、この様に下へ続く穴は不気味。落ちたくない…。
当然内部を照らして見るんですが…
内部は変則丁字路になっていて、左から右へ水が流れていました。
この穴は、房総のあちこちで見られる素掘水路隧道の横坑ですね。
現在地はたぶん【この辺り】。

ここまで歩いてきた方向を振り返りました。(画像中央が道)
先ほどの穴っこから数十m先には、先ほどの水路隧道の出口が在りました。(歩いていると突然左に現れました!)

因みに…その水路隧道の反対側の入口は画像のずーと奥左側の森の中で発見しました。《どんなの?気になるから見せて
道と平行に数十mの間、水路隧道は地中を流れているんですね。

その水路隧道の中も気になりますが…本来の目的へ急ぎます。
竹林の中をシングルトラックが続いています。
これから先はずーとこんな道で、四輪は絶対無理な予感がします…。
Σうぐっ!?
遂に一番目の隧道に遭遇!!
いよいよ隧道連チャン地帯に突入するんですカー!

どーん!

 怒田1隧道(南側坑口) 


★ここから出現する隧道の名称は…トンёコレにもリンクさせていただいている『maxdogACD氏のマップ』に合わせてあります。
撮影時期によって隧道の様子も微妙に変化していますので、是非そちらも同時にご覧下さいませ。
内部の様子。
左右の壁には、ここに訪れた先人達の“記念”や色々な“感情”が彫ってあります。
バか西川…だってさ。何で『バ』がカタカナで『か』がひらがななのさ?
2004年に来た時に彫ったんでしょうね。
 怒田1隧道(北側坑口) 

隧道を抜けた先です。
雨がポチポチ降ってきたけど…今日は、雨の予報だったけ?

直ぐに現れる…

 怒田2隧道(南側坑口) 
地層の模様とそれに生えたコケの緑が綺麗です!
この隧道、刈り取った竹の倉庫としても活躍していたんでしょうか?

※『maxdogACD氏のマップ』で確認される“天井の四角い崩落”は、私の探訪時(2009年1月12日)にはありませんでした。
因みに…この画像を撮影した時刻は11:31です。
そして、帰りにも(15:50分頃)ここを通過してますが…
その“天井の四角い崩落”は無かったと思います。
その後に発生したものと思います。
北側の洞床は荒れています!
隧道を出て北側は水分多くてヌメヌメです…。^^;
おおぉ…路面が掘れています!
大雨が洞床を削り、やがてここの路面も奪ってしまったみたいです。
 怒田2隧道(北側坑口) 

やっぱりネ…。^^;
その失われた路面でも全然平気で通過したタイヤの跡があります!!
いよいよ本格的な“廃道”区間に突入してきました!
(今までも十分廃道でしょうけど…)
ちゃんと前を見てないと…顔面に植物がヒットします!
ありゃりゃ………行止まりかい?
突然、目の前は崩落なのか…激藪で大変な事になっております!
路面はダートというより、既に枯れ草に覆われていてタイヤの跡が判りません!! どっかで進路を間違えたかな…?

いえいえ、そんな事はありません。
上の画像の場所で90度右を見ると…無理矢理道無き道を下ったタイヤの跡が続いているのを発見!!
それを進みながら…後ろを振り返るとこーなっています。
ピンクの線の通りに…画像左側から来て、突然その道から一段下へと下って行くのであります!
その先はススキや枯れはの間をクネクネと進みます。
本来ここは田んぼか畑だったんでしょうね…。
おーい、どっちへ進んだらイイんだぁー…。
なんて思っていたら、先人のタイヤの跡が出てきました。
正直不安になってきたけど、これを発見すると本当にホッとします。
しかし、本当に山の中です…。
この辺りはやたら平地が広がっていますが、田か畑の跡でしょうか?
さてさて…どっちへ進んだらいいんだろう…。
と思ったら、画像の斜め左へと進めそうな藪の薄い所がありました。

ポチポチの雨はいつの間にか止んでいましたけど…
曇り空で薄暗く…山奥で一人、心細いです…。
ここで野宿は絶対にカンベンですわ。^^;

ハイ、本来の道へ合流しました。
頭上、気をつけて!
あひゃー!! また正面には激藪!?
今度は判り易いですね…斜め右下へと下る先人が残した迂回路。

下っています、滑り易いです!
嬉しい事に…^^; 右の谷の方へと路面が傾いてくれちゃってます!!
何だこりゃー!!
その道というかタイヤの跡は、沢へと落っこちる寸前でまた左へと上り始めています!

あっ!沢とこんなに近いのなら…現在地はたぶん【この辺り】でしょう。
(地図を拡大すると、沢を示す水色の線が消えてしまいます。↑)
斜め左へ進路を変えて10m位進むと、本線に合流するみたいです。
後ろを振り返ると…やっぱり本来の道に合流した様です。(本当はパノラマで撮れば良かったですね…左右2つを合わせてイメージして下さい。)
左画像のあの藪から出てきたのです!その右(右画像がその右側)が本来の道だと思われます。あの先で崩落している感じです。

今度は迂回路ではなく本線なんですけど…この荒れ様!
右下に水の流れる音を聞きながら…竹林の中を緩やかに上ります。
時にはこんな風に凹みが用意してあります!ご注意あれ。
因みに…凹みの右下には先ほどの沢が流れています。
それともう1つ…この凹みの下には廃バイクが埋もれています!
この凹みによる犠牲車ではないと思われますが、何とも哀れ…。
その凹みを反対側から見ると》…
こんな感じでバイクが埋もれています
(↑↑2つの画像は帰りに撮ったので暗いです。15:19撮影)
さて、坂を上りきって右カーブの先には何となく穴の風陰気が…。

じゃん!出ました!!

 怒田3隧道(南側坑口) 
洞内。
 怒田3隧道(北側坑口) 

隧道を抜けると、もちろん日陰。
因みに時刻は…12:02。

あっ!お昼飯持ってくるの事忘れた!!(車の中に忘れて来た!)
どよ~ん…ドヨ~ん…
おぉ~!
滝だ!!スゲーすげー!!滝だよ!滝!スゲーYO!
(↑昼食が無いのを忘れる為に気を紛らわそうとする情け無い男。)
現在地はたぶん【ここ】でしょう。

画像左が先ほどの 怒田3隧道(北側坑口) 方面です。
ここは地図と実際の道とは微妙に線形が異なっている様に思えます。
 怒田3隧道(北側坑口) の位置が間違っているにも思います。
実際はその北側坑口を抜けたら緩やかに右カーブして、画像の所で90度左へとカーブしている…と思います。滝は画像右方向です。

さて、左へと90度曲がった先が画像奥の掘割になります。
その掘割を抜けると分岐っぽいんですが、本線は右に折れています。
その左には人が入れそうな“穴”が開いているのを発見!

その穴に近づくと…『川廻し隧道』の様です。
因みに、画像右側奥が上の画像を撮影した分岐っぽい所です。
その川廻し隧道を覗くとこーなっています。
内部は滑ります!それを抜けた先には橋が見えます。
その橋の下は滝になっています。(滑り台みたいな傾斜で)
滑って危うく落っこちそうになりました!! f^^;
その橋の上はこーなっています。
特にこの右側は深い川なので落っこちたら痛いでは済まなそうです。
その橋から先ほどの川廻し隧道を眺めました。

Σあっ!そういえば…
この川廻し隧道はどっかのサイトやブログで見た事ありましたっけ。^^
遂に生で見る事が出来ました♪

それからちょっと進むと…穴ぼこ見えてるヨ!
おっと!その手前には道が突然失われているトラップがあります!
バイクでよそ見しながら走っていると…気が付けば谷に倒れている事になっているかも知れません!くれぐれもご注意下さい。

ここも先人達が築き上げてくれた迂回路(ピンクの様に)がちゃんとありました。

 怒田4隧道(南側坑口) 

地図ではもっと長い事になっていますが…
実物は延長5m位だと思います。

上の山も大した事ないし…掘割にされなかったのが奇跡に感じました。
この隧道って、この道を造った方のユーモアなのでしょうか?
 怒田4隧道(北側坑口) 

先ほどから見えていましたが、続いて休み間も無く…

 怒田5隧道(東側坑口) 
おっとと…入ってビックリ!! 今度は少々長いです。
オマケに落盤ありーの、後半は水没している様です!!
Σうわっ!?バイクが来た!
私が水没におどおどしていたら…
突然オフロードバイクが現れました!!
自動車を降りてから、本日初めて人間に会いました!

バイクに乗っている彼もこの水没を見たら、
どーしようか…一瞬考えた様子です。
彼らは丁寧な挨拶をしてくれて、そのまま走り去って行きました。
そうです!ここでオフロードバイク2台とすれ違ったのでした。
彼らが行っちゃたら…また一人、心細いよ…。
この時、“遂に長靴の中まで水没か!?”と覚悟しましたが…
幸いにも“寸前”の所でそれは免れました。^^;
コケそうになりながら…やっとの思いで水没隧道を抜ける事が出来ました。

振り返ると、模様が綺麗でした♪


念の為確認しますけど…
今回目的の水没トンネル(以後:水没隧道)はこれではありません!
目的は…青いマークを付けた水没隧道。
まさか!ここも水没しているなんて…^^;
 怒田5隧道(西側坑口) 
 
目指す水没隧道までの道のりまだまだ…。この後もコテコテの廃道を進みます。
 
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